バリエーション体験イベント in 赤岳主稜【報告】
2023年10月8~9日の日程は前週に続いて、紅葉の涸沢の第2弾・北穂高東稜ツアーの予定でしたが、当日の天候がまさかの雪…
全国的に悪天候であれば仕方ありませんが、一部メンバーに確認したところ「別の場所でも行けるところがあれば行きたい」という意見をいただきまして、
急遽ではありますが、少し敷居の高い赤岳主稜のルートに転戦してツアーを催行しました。
赤岳主稜とは?
そもそも、赤岳主稜とは?バリエーションやアルパインをやっている人ならとても有名なルートですが、一般登山をメインにやっている方にはちょっと馴染の薄いルートですよね…
八ヶ岳の最高峰である赤岳に真正面(西壁)から登る名クラシックルートです。
アプローチは行者小屋を経て、文三郎尾根を登り稜線に合流する少し手前から登山道を逸れて取り付きに至ります。
文三郎を尾根を登り赤岳の西壁が見えてきました。赤岳の山頂に突き上げている一番太い尾根が主稜なのですが、このあたりの地形はどこもかしこも岩壁なので、見る人が見ないとわかりにくいですよね…
写真の中央より少し左のルンゼ(有名なCSが目印です)が取り付きです。この時期は雪もなく岩はガラガラして脆いのである意味、登山道から取り付きまでが今回の核心ポイントなのかもしれませんね。
途中、掴む岩すべてがボロボロ取れるという悲惨な状態です。こういう場所に慣れない参加者の方々は恐怖と闘いながら慎重に進んでいきます。
赤岳主稜 登攀開始
赤岳主稜は、バリエーションルートと言いながらも登攀要素の高いルートでアルパインクライミングに近いルートです。しかも最初のCS(チョックストーン)を越えるのが最初、かつルートすべてを通しての核心です。
この時期はCSの下を潜って突破することも可能ですが、せっかくの機会なので正面突破で抜けていきますよ!
CSはあの手この手を使って何とか超えることができました。
その後もガラガラ、悪い足場の登攀が続くので気を抜くことができません。
少し登ると、文三郎尾根の登山者の声も聞こえますし、登山道からもこちらを見ることが可能なので注目を浴びます。ここではとても恥ずかしい登りはできないですね 笑
このルートでは、歩きのセクションと登攀のセクションが程よく交互にできてきます。登っては歩き、登っては歩き…
ただ、歩きと言っても安全な場所は皆無なので常にスタカットでロープを結んだままルートを進むことになります。ルートも屈曲したりするので適宜ピッチを切って最終的には8~9ピッチで山頂の手前の登山道に合流します。
予報通りと言えば予報通りですが、お昼過ぎから天気が崩れ始め、稜線に抜ける頃には雪が舞い始めました。寒かったのですがここまで来たらとりあえず山頂は踏んでおきたいということで赤岳の山頂まで。
赤岳鉱泉まで何とか濡れずに戻りたいということで、足早に下山。途中から小雨が降り始めましたが、濡れることなく戻ることができました。
この日の夜から、翌日は雨予報なので2日目は下山のみ。この予報は的中し、朝も雨は止むことはありませんでしたが、雨の完全防備で9時前には無事に下山しました。
今回参加のお二人は、このような登攀的なルートは初めてですが怖がりながらも無難に登り切って満足していただけました。
また、次回のツアーもよろしくお願いいたします!!