2023.12.16~17【報告】天狗岳 雪山入門ツアー

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天狗岳 雪山入門ツアー

2023ー2024冬シーズンの冬山企画の第1弾は天狗岳です。

天狗岳は雪山入門的な山で日帰りでも可能な距離感ではありますが、人気の黒百合ヒュッテ山小屋があるのでせっかくなら1泊でのんびりと講習もしながら…という企画です。

12月に入ってもなかなか雪の便りが届かず、八ヶ岳は例年に比べても雪の少ない状況となっています。せっかくの雪山入門ツアーなのでせめて少しでも…という願いが届いた?せいか日程の少し前から雪が積もりような天気が続き、少しは冬っぽい山の装いとなってきました。

10:15 渋の湯 集合、出発(黒百合ヒュッテまで)

この日は、前日までの冷え込みとはちょっと様子が違い、とても暖かい朝を迎えました。体感的には10月下旬のような気温です。

初日の天気はイマイチ…というよりも予報でも雨予報でしたが、蓋を開けてみれば集合時間の少し前までこそ、雨が降っていましたが、みんなが集まるころには雨はほとんど闇、悪い天気予報ながらも降られずにいて助かりました。

なお、関東方面からの始発でも間に合うように集合は遅めの10時過ぎ。今日は黒百合ヒュッテまでいき、その周辺で雪山講習をする予定です。

黒百合ヒュッテまではひたすら樹林帯。時々雨がぱらつく時間帯もありましたが樹林のおかげでほとんど濡れることはありませんでした。

途中から沢沿いの道になり、本来この時期は雪や氷の上を歩くようなルートではありますが、この日は雪もなく、沢の水も流れたまま、それに加えてところどころ凍結した場所があったのでアイゼンを装着しての岩場歩きなどもあり、慣れないアイゼンでは少し難しい箇所もありました。

黒百合ヒュッテには、14時過ぎ頃到着。

小屋に到着する前から、標高も上がったせいもありますが雪が降り始め風も強く吹き始めてしまいました。本来は小屋の外で雪山入門講習を行う予定でしたが、風も強く気温も低く、雪も降ってきたので、本日の屋外での講習は中止。

少し休憩を挟んだのちの、食堂の1部をお借りして座学の講習に切り替えて、冬山の基礎、レイヤリング、アイゼン、ピッケルなどについて説明を行いました。

参加者のリクエストにより夕飯は自炊!

今回は、山小屋のごはんでも定評のある黒百合ヒュッテでしたが、参加者のリクエストにより私の山ごはんが食べたいということで、食料を担ぎ上げて自炊しました。

黒百合ヒュッテの自炊可能な場所は土間にあるストーブを囲う丸いテーブルです。

もちろん小屋のごはんも美味しいですが、みんなで円卓を囲んで飲みながら山で食べるご飯は格別です。

本日のおしながき

前菜:きゅうりとクラゲの中華和え

前菜:ウィーンナー(シャウエッセン)

副菜:ローストビーフ

メイン:グリーンカレー
※もちろんお米は生米を炊飯します。

黒百合ヒュッテは改装もされてとても綺麗な小屋です。トイレも水洗でとても快適(それなりに寒いですけどね 笑)

飲みながら夕食を食べて、就寝時間には布団に入りおやすみなさい。

Day 2 黒百合ヒュッテ~天狗岳山頂

夜が明ける前の6時過ぎに小屋を出発して山頂を目指します。

前日の夕方くらいから夜中も雪が降り、前日とは違った雪景色へと変わっていました。積雪はさほどではなかったのですが、前日と一番大きな違いは「気温」と「強風」です。

外に出ただけで風が吹き荒れるゴーゴーといった音が恐怖にすら感じられます。

冬型の気圧配置というのは事前から把握していたので想定内と言えば想定内でしたが、本日は歩を進めながら状況を見て行けるところまで行ってみます。

中山峠~稜線~東天狗

中山峠を過ぎて視界の開けたところからは、朝焼けが広がり幻想的な景色が広がっていました。稜線に出た瞬間に暴風が来ることも想定していましたが、ここではまだそれほどではありません。なのでもう少し先に進みます。

樹林帯が切れて岩が出てきたところあたりで風が通る場所があり、そこで危険を少し感じたので一部メンバーはサブ講師と共に小屋に戻ることにします。

残りのメンバーはもう少しは大丈夫そうでしたのでさらに行けるところまで行ってみます。

何か所か風が通って、体がもっていかれそうなポイントがありましたが、それは一瞬で気を付けて通過すれば問題のない範疇でした。適宜水分補給しながら、もう少し進みましょう!

なんてことを何度か言っていたら、山頂の標識が見えてきました(笑)

山頂までの100mくらいはソコソコ風が強かったのですが、もうどうせここまで来たら登頂しようということで山頂まで!

見事、4人の参加者さんたちは登頂を果たせました!

体感では風速15m強くらい。山頂の標識にはエビの尻尾がビッシリで冬らしい光景でしたね。西天狗まで行く?と冗談半分に聞くと皆さん揃って首を横に振りましたので、名残惜しいこともなくそそくさと下山します。

下山は、天狗の奥庭経由です。稜線の西側になるから風が強いかな…なんてことも思いましたが、これも経験!ということで当初の予定通りこちらから。

こちらの方が、稜線より風が強くて、途中台風姿勢を取ったり、重心低く飛ばされないように歩いたり、よろけたり…しながらでした。

このルートに関しては時折20m/sを超えるような風も吹き、冬山の厳しさを体感しつつも、このような風が雪山ではあるということ、そしてそれらの対策等も部分的にではありますが、学んでいただけ、講習的には良かったのかなと思います。

そんな中、場面は分かり、山頂に向かわなかった方々は…

のんびり、写真撮ったり、プチ講習をやったりしながら下山して小屋でのんびりしていただきました。

黒百合ヒュッテでランチ

みんなが小屋まで戻って、時間的には少し早かったですが、大休止兼ねてランチにします。

黒百合ヒュッテと言えばもちろん「ビーフシチュー」ですよね!!

こちらのビーフシチューは絶品です。人気が高い理由がよくわかります。

こんな山の上で、こんなにクオリティの高いものが食べれるのは幸せですよね!

小屋の前で全員で記念撮影して、いざ下山です。

下山は全日とは大違い…沢の水も大方凍って、行きにあるいたルートよりも何倍も歩きやすかったです。

今後も「登山道場」、並びに「山にいこうよ」では冬期のツアーも沢山企画していますので都合のつく方は是非ご参加ください!