こんにちは! 冬も寒さも大好きな神野 龍です。
今回は登山経験者(夏山)の中でもハードルが高いと思われている冬山の紹介をします。
冬山登山とは確かに危険な側面もありますがルート選びさえ間違えなければ簡単に絶景を堪能することができます。
注意点や雪山の基礎なども交えてご紹介していきます。
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雪山(冬季登山)とは
まずは冬の山がどんなところか行って雰囲気を知ることが大切です。
今回紹介するような山では特別な技術や知識は不要。
とりあえず冬山を体感してみてはどうでしょうか。その上でもう少し本気な本格的な山(雪山)にも行ってみたいと思えば知識や技術を学んでください。本格的な雪山技術(基礎技術)に関しては改めて別の機会に細かく紹介します。
雪山の醍醐味
それでは、雪山はどんなところが素晴らしいのか見ていきましょう。
冬山(雪山)夏山にはない魅力がたくさんありますよ!
- 冬ならではの白銀の世界
- 夏では感じられない澄んだ視界
- 静かな山歩き
- 登山道にとらわれない自由なルート選択
細かいことを言えばキリがありませんが代表的なところではこんなところでしょう。
冬ならではの白銀の世界
【画像】白銀の森林限界の景色
冬といえばなんと言っても”雪”でしょう。
夏の眩しいばかりの緑も当然綺麗ですが冬山ならではの「一面銀世界」はあなたの心を奪うこと間違いなし。一面に覆われた雪はもちろんですが木々に霜や雪が張り付いた「霧氷」は繊細で芸術的な美しさを堪能できることでしょう。遠目から見た霧氷も綺麗ですし、枝などに近づいてみる霧氷もまた美しいものです。霧氷はうっすら雪が降ったときや放射冷却で厳しく冷え込んだに現れます。陽射しが暖かく降り注ぐ時間には消えてなくなってしまいますので朝~午前中が狙い目です。
その他、見れる場所はかなり限られますが樹木自体が雪に覆われる「樹氷」もみることができます。樹氷は存在感や迫力が素晴らしいですが個人的には繊細な霧氷の方が好きかな・・・
白い雪と晴れた日の青い空のコントラストは言葉を失うほど綺麗な景色です。天候に恵まれなければ見れませんがそう簡単に見れてもつまらない?かな・・・
是非山に足を運んで素晴らしい景色を楽しんでください。
夏では感じられない澄んだ視界
冬山で見る景色の綺麗なもう一つの理由としては「澄んだ空気」です。夏では気温の上昇とともに地上の水分が水蒸気となり霞んでしまうことがほとんどです。
それが冬にはスッキリ澄んだ空気のおかげで遠くの山までくっきり見れることが多いです。
せっかく晴れた日に苦労して登頂しても、「もやっ」とした空気だとちょっと残念な気分になりますよね・・・
夏の「もやっ」とした眺望
冬のすっきり澄み渡った景色
なかなかいい写真がなくて比較が難しいのですが、なんとなくお分かりになりますでしょうか?このように冬の方がくっきりとした眺望を楽しめます。
静かな山歩き
初心者向けの冬山に行っても夏の山と比べると入山者はかなり少ないので静かな山歩きを楽しむことができます。
雪が積もっていることで雪が音を吸収して静けさを楽しむこともできます。人の多い賑やかな雰囲気も悪くはありませんがせっかく現実離れした世界を堪能しに山に入っているので雪の上を歩く独特の音と対話しながら歩くのも、また粋な時間の過ごし方だと思います。
登山道にとらわれない自由なルート選択
これは一つステップアップした考え方にはなりますが、冬の山では忠実に登山道をトレースする必要はありません。(そもそも忠実に夏道の登山道の上を歩くのは不可能です。)
初級者向けのルートに入る場合は先行のトレース(先行者の足跡)を追うことになりますがそれはあくまでも目安であって雪で覆われた山はどこを歩いても構いません。(あくまでも道迷いにはならないように・・・)
自分だけの足跡を刻みながら歩けるというのも冬山のいいところです。登ってきた道のりを振り返って自分だけの足跡が残っていたらどことなくいい気分になれます。
雪山での注意点
ここまではいい事を挙げてきましたが、やはり冬山には危険もあります。そこで冬山(雪山)登山をするのにあたっての注意点をみていきましょう。
- 防寒
- 防風
- 紫外
- 冬の脱水症状
- 凍傷
- 雪崩リスク
ざっと挙げるだけでもこれだけの注意点があります。細かなことは次のステップで説明するとして最低限必要な対策についてお教えします。
冬山での防寒対策
冬はただでさえ寒いのですが、標高の高い山は平地に比べさらに気温は低くなります。一般的には標高が100m上がると気温は0.6℃下がります。
例えば、東京都心では標高は数十メートル程度です。仮に少し高めに見積もって100mと仮定しましょう。
都心で気温が5度の日だとしても、標高2,000mの山に行ったとしたら気温はマイナス6.4度となります。また風の吹き方によって体感温度はもっと下がります。
標高が100m上がるごとに → 気温 -0.6℃
平地では暖かくても山では気温が大幅に低くなりますので防寒対策は入念にしてください。行動中は熱くなりますので厚手のものを着込まずに面倒でもレイヤリングして小まめに調整をするほうがいいでしょう。
冬山での防風対策
山で強風が吹きつけるのは常で稜線に出ればなおさらです。防風対策は万全にしなければ凍傷にもなりかねません。
ちなみに、風速1mにつき体感温度は1℃さがります。冬の山では風速10mは普通に吹きます。前述の例で言うとマイナス6.4℃の気温、風速10m吹くと体感温度はマイナス16.4℃となります。
風速1mにつき、体感温度は-1℃
ですので防寒対策に加え防風対策も万全にする必要があります。肌を露出するのは限りなく少なくしなくてはなりません。
手袋はもちろん、ネックウォーマーやバラクラバの携行をオススメします。
冬山での紫外線対策
紫外線は夏(初夏)には注意しますが冬は案外おろそかになりがちです。太陽から降り注ぐ紫外線こそは夏の方が強いですが、紫外線は雪に100%反射します。つまり夏は空から降り注ぐ紫外線に対して冬では地面から・・・もっと言ってしまえば四方八方から紫外線が容赦なく照り付けます。
日焼け止めなどの対策はもちろんですが目の対策も重要です。裸眼で登山をしていると「雪目」となり眼球が日焼けによって痛みや涙が止まらなくなります。そのため
サングラスやゴーグルなどのアイウェアは冬山には欠かせないアイテムになりますのでお忘れなく!!
冬山での水分補給
脱水症状は夏だけのことだと思っている方が非常に多いと思いますが、実は冬も脱水症状についてもは注意をしなければなりません。
冬は夏に比べると汗を掻く量も少ないですし、喉が乾く感覚もほとんどありません。それが逆に危険なのです。
夏に比べれば少なくても、冬でも汗は確実に掻きます。それに加え呼気から水分が奪われます。それでも水分補給がおろそかになるので脱水症状になりやすいのです。冬は脱水症状となれば低体温症や凍傷のリスクも増します。
冬山では喉が渇かなくても小まめに水分補修をすることが重要です。また、冬はペットボトルなどでは凍ってしまい飲めなくなってしまう可能性があるのでテルモス(魔法瓶)などの水筒で水分を携行しましょう。
冬山での凍傷への配慮
行動時間が短い初級者向けのルートだとしても、天候によっては凍傷のリスクがあることは忘れてはいけません。
前述で、防寒や防風の対策についてお伝えしましたが休憩中などの行動でも注意が必要です。例えば休憩中などの手袋の扱いです。
休憩中やレイヤリングの脱ぎ着でどうしても手袋を外す機会があると思いますがその際の取扱いは要注意です。
雪山でも無造作に外した手袋をその辺に「ポン」と置く光景をよく目にしますがこれはとても危険です。
- 手袋の濡れ
- 強風による紛失
などによって凍傷になる可能性があるからです。
手袋は「濡らさない」、「風に飛ばされない」などの注意には細心の注意を払ってください。
雪崩リスク
雪崩による注意も必要です。単純に雪崩は傾斜のある場所ではどこでも発生する可能性がありますが、特に急斜面、沢状の地形ではそのリスクは上がります。
初級者向けのルートでは雪崩リスクは少ないものの沢状の地形周辺では休憩しないなど最低限の注意は必要。
雪崩については、とても奥が深いのでここでは伝えきれないので別の機会に詳しくお伝えすることとします。
雪山での服装
冬山では夏山とは違い特別な服装が必要です。すべてを冬用の服装は結構値段が張るのですべてを一気にそろえるのは難しいので最低限の服装を見ていきましょう。
- ハードシェル(オーバーパンツ)
- 帽子
- 手袋
最低限と言ってもこれらの装備は必携です。
ハードシェル
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ハードシェルは簡単に言ってしまえばカッパに保温材が入ったジャケットのことを言います。これはとても高価なので用意できるに越したことありませんが、インナーダウンとレインウェアをレイアリングしても可能です。
要するに防水性と保温性を考えれば初級ルートでは十分に代用可能です。「まず体験を・・・」という方は防水性の高いレインウェアとダウンを上手に使いましょう!
帽子
帽子はキャップやハットタイプのものより、保温性の高いニット地の保温性の高いもので耳までしっかり隠れるものがオススメです。
風が吹けば寒くなりますし耳も凍傷になる可能性がありますのでちゃんと帽子は着用しましょう。
手袋
手足などの末端は一番凍傷になりやすい部位なので手袋は必須です。登山専用のものがあれば問題ありませんが、これも防水性、保温性があれば代用は可能です。スキーやスノーボードなどのグローブがあれば全く問題ありません。
本格的な登山での手袋については別の機会にお伝えしたいと思います。ひとまず冬山デビューには最低限の寒さが防げれば可能だと思います。
それよりも「濡れない」、「飛ばされない」事に細心の注意を払いましょう!
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雪山で必要な装備
冬山では夏山にはない冬山専門の装備も必要になってきます。見慣れないものやもしかしたら見たことないものもあると思いますのでご紹介します。
- アイゼン
- ピッケル
- ストック
- 冬用登山靴
初級ルートではこれだけあれば登頂は可能になってきます。
アイゼン
アイゼンとは雪の上や氷の上でも滑らないような鉄のトゲトゲした靴に装着する器具です。
グリベル(Grivel) G12 Jマチック (Jシリーズ) (アイゼン クランポン) GV-RA074A07
ピッケル
ピッケルは登るときに杖として使ったり、雪に差して手がかりとして使ったり、万が一滑落してしまったときに停止したりするマルチに使えるとても便利な道具です。
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ストック
これは冬山のみならず夏山でも大活躍するアイテムです。ストックを使うことによって手でも推進力を得られるので体力が少ない方には必需品です。
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冬季登山靴
夏山などで使う3シーズン登山靴とは異なる登山靴です。基本的にはソールは硬く歩くにくい・・・。ただし硬い雪面に蹴りこんだりするときにはとても便利です。
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雪山初心者にオススメの山 3選
それでは、雪山初心者がデビューするのにオススメな山をご紹介していきましょう。特に北横岳、入笠山に関してはハイキングと言っても過言ではないので最初のトライには気兼ねなく挑戦してほしですね。
北横岳(北八ヶ岳)2,472m(長野県)
ルートデータ
北八ヶ岳ロープウェイ 山頂駅 → 坪庭 → 北横岳ヒュッテ → 北横岳 山頂
標高差 242m
北八ヶ岳ロープウェイ 山頂駅 (登山口) 2,230m
北横岳山頂 2,472m
コースタイム 2:10
登り 1:10
下り 1:00
北八ヶ岳の中でも北に位置する北横岳はピラタス蓼科スノーリゾートの北八ヶ岳ロープウェイ(ピラタス蓼科ロープウェイ)の山頂駅を降りたところから登山開始です。山頂駅周辺は「坪庭」と呼ばれる台地となっておりハイキングのコースになっています。そこを越え樹林帯を進むと1時間ほどで北横岳ヒュッテが見えてきます。ここまでくれば山頂はすぐそこ。
夏山でも登山経験者には少し物足りないくらいの道のりですがふかふかした雪の上を歩くのが楽しめます。コンディションによってはスノーモンスター(樹氷)をみれるかも!
樹林帯を越えて山頂目前の光景は圧巻だと思いますよ。この行程に物足りないようでしたら少し足を延ばして縞枯山とセットで歩くのもオススメです。縞枯山まで足を伸ばしたとしても全工程のコースタイムは4時間50分ほどですので体力に自身のある方は是非いってみてください。
入笠山 1,955m(長野県)
ルートデータ
富士見パノラマリゾート ゴンドラ山頂駅 → 入笠湿原 → 入笠山 山頂
標高差 175m
富士見パノラマリゾート ゴンドラ山頂駅 (登山口) 1,780m
入笠山 山頂 1,955m
コースタイム 2:20
登り 1:15
下り 1:05
入笠山は富士見パノラマリゾートのゴンドラ 山頂駅から歩き始めます。ほぼ平坦な雪原を歩き入笠湿原を経由して山頂に向かいます。こちらも危険箇所は特になくふかふかの雪原歩きを楽しむことができます。
標高差も175mと、とても楽に山頂まで行けますので登山というよりもハイキングといった方がいいかもしれませんね。夏山含め登山経験が浅い方でもスノーシューハイキング行くこともできます。
むしろ登山経験者には物足りないのでその辺は予めご了承くださいね!!
蓼科山 2,530m (長野県)
ルートデータ
白樺国際スキー場ゴンドラ 山頂駅 → 幸せの鐘 → 蓼科山荘 → 蓼科山 山頂
標高差 700m
白樺国際スキー場ゴンドラ 山頂駅 (登山口) 1,830m
蓼科山 山頂 2,530m
コースタイム 4:00
登り 2:20
下り 1:40
さて、ここからは「冬山登山」の領域になってきます。夏山登山の経験がほんの数回程度だとひょっとしたらキツく感じるかもしれません。とはいっても夏山を経験されている方からすれば全く問題なし。白樺国際スキー場のゴンドラを降りたところから歩き始めます。
ゴンドラを降りてすぐに「幸せの鐘」がありますのでカップル登山にもオススメですよ!
樹林帯歩きから始まって、蓼科山荘を越えると森林限界となります。ここからは斜度が増しますのでアイゼン、ピッケルは必携となります。条件にもよりますが硬く凍っているコンディションの時にはアイゼンの歯をしっかり噛ませてピッケルでバランスを取りながら登っていく必要があると思います。
雪が柔らかいコンディションであればさほど気にすることはありません。蓼科山の山頂は遠景からは想像できないくらいダダッ広い山頂で山頂の標識を探すのに一苦労?かもしれませんね。
冬山入門のレベルなので是非一度は登っていただきたい山だと思っています。