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雪山を始めたい人へ|雪山講習会で最初に学ぶこと

目次

はじめに

白く輝く稜線、凛とした冬の空気、静まりかえった森。雪山には、夏山とはまったく違う美しさがあります。

「いつか雪山を歩いてみたい」と思いながら、何から始めればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、雪山を始めたい方に向けて、登山道場の雪山講習会で最初に何を学ぶのかをご紹介します。

登山道場が目指しているのは、「連れて行ってもらう雪山」ではありません。自分の足で、自分の判断で歩ける雪山です。その最初の一歩として、どんな技術を身につけるのかをお伝えします。

厳冬の雪山を自力で登山する一人

夏山と雪山はどう違うのか

雪山は、夏山の延長ではありません。同じ山でも、雪が積もると求められる技術と判断がまったく変わります。

  • 足元:凍った斜面や固い雪の上では、夏山と同じ歩き方だと簡単に滑ります。一度滑ると止まらない斜面もあります
  • 寒さ:汗をかいたまま休むと、一気に体が冷えます。体力の消耗も夏山より大きくなります
  • 日の短さ:冬は行動できる時間が短く、ペース配分を誤ると日没との勝負になります
  • 視界:吹雪やガスで視界がなくなると、夏道の目印は雪の下に隠れています
  • 雪崩:地形と積雪によっては、雪崩のリスクを考えた行動が必要です

だからこそ、雪山は「行ってみてから覚える」のではなく、技術を学んでから入ることが大切です。

夏山と冬山の比較

雪山ツアーと登山道場の雪山講習会の違い

「雪山 ツアー」で検索してこのページにたどり着いた方もいるかもしれません。雪山ツアーと登山道場の講習会は、どちらが良い・悪いではなく、目的が違います。

雪山ツアー登山道場の雪山講習会
目的山頂や景色を楽しむこと自分で雪山を歩ける技術を身につけること
ルート判断・ペース配分ガイドが担う講師と一緒に考え、自分でできるようにしていく
歩き方安全に歩けるようサポートを受けるなぜその歩き方なのかを理解し、繰り返し練習する
その先次も誰かと一緒に行く段階を踏んで、自分の力で行ける山を広げていく

「とにかく一度、雪山の景色を見てみたい」という方には、ガイド付きのツアーが合っています。

「いずれは自分の判断で雪山を歩けるようになりたい」という方には、登山道場の講習会が向いています。登山道場では参加者を「お客さん」ではなく「道場生」と呼び、一回きりではなく、段階的に技術を積み上げることを大切にしています。

※ツアーと講習会の違いについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

雪山講習会で最初に学ぶこと

雪山の技術というと、ピッケルで滑落を止める「滑落停止」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん大切な技術ですが、登山道場が最初に重点を置くのは、そもそも転ばないこと、そしてバテないことです。

雪山の事故の多くは、疲れて足元が乱れたときや、アイゼンを引っかけたときの「転倒」から始まります。転ばずに、最後まで余力を残して歩ける。それが雪山を安全に楽しむための土台です。

雪山を登る登山者

1. 転ばない歩き方

雪の上では、夏山と同じ感覚で足を置くと滑ります。

  • 足裏全体で雪をとらえる足の置き方
  • 重心を足の真上に乗せる体の使い方
  • 登り・下り・トラバース(斜面の横切り)での足の向き
  • 斜面の傾きや雪の状態に合わせた歩幅の調整

2. バテない歩き方

雪山では、ラッセルや寒さで夏山以上に体力を消耗します。速く歩くことより、一定のペースで長く歩き続けることが大切です。

  • 息が上がらないペースの作り方
  • 小さな歩幅で、筋肉に頼りすぎない登り方
  • 汗をかきすぎないための衣類調整のタイミング
  • 行動食・水分のとり方と休憩の取り方

疲れは足元の乱れにつながります。バテない歩き方は、転ばないための技術でもあります。

3. アイゼン歩行の基本

初めての雪山で、多くの方が一番苦戦するのがアイゼン歩行です。登山道場では、ここに時間をかけて練習します。

  • アイゼンの正しい装着と、歩行中の緩みのチェック
  • 爪をすべて雪面に効かせる「フラットフッティング」
  • 足を少し開いて歩き、ズボンや反対側の足に爪を引っかけない足運び
  • 傾斜に合わせた足の向きと、登り・下りでの使い分け

アイゼンの引っかけによる転倒は、雪山で特に多いつまずきの一つです。最初に正しい形を身につけておくことで、その後の上達がまったく変わります。

雪山の歩き方や装備については、登山道場のYouTubeでも解説しています。

4. 装備の選び方と使い方

アイゼン・ピッケル・冬用の衣類など、雪山に必要な装備の基本も学びます。持っているだけでなく、現場で正しく使えることが大切です。

5. 滑落停止の位置づけ

滑落停止は、講習の中で形(体の向きやピッケルの持ち方)はお伝えしますが、実際に斜面を滑って止める練習は行いません。滑落停止は「転んでも止められるから大丈夫」という技術ではなく、急な斜面や固い雪では止められないことも多いからです。

だからこそ登山道場では、まず転ばない歩き方を身につけることに時間を使います。滑落停止は、その土台の上で、万が一に備えて知っておく技術という位置づけです。

登山道場の雪山講習会のステップ

登山道場では、時期や目的に合わせていくつかの雪山講習会を用意しています。一度ですべてを詰め込むのではなく、シーズンの流れに合わせて段階的に進みます。

  1. シーズンの入り口(12月頃まで):雪が付き始めた山で、転ばない歩き方、バテない歩き方、アイゼン歩行の基本をしっかり身につけます
  2. 本格的な雪山シーズン(12月頃から):入り口で身につけた基本を土台に、本番の雪山へステップアップしていきます

各段階で技術が身についたことを確認してから次に進むので、無理なくステップアップできます。登山道場では、講師の考え方が統一されているため、講師が変わっても教わる内容がぶれません。

登山道場で雪山を楽しく学ぶ皆さん

※登山初心者から雪山・バリエーションまでの全体の流れは、こちらのロードマップで詳しくご紹介しています。

登山経験が少なくても参加できる?

雪山の基本を学ぶ講習会に、特別な参加基準はありません。どなたでも参加いただけます。

夏山の経験があるほうが入りやすいのは確かです。ただ、登山経験がほとんどない方でも、北横岳や蓼科山の講習会であればまったく問題なく参加いただけます。

「いきなり雪山は不安」という方こそ、最初に正しい歩き方を学んでおくことで、その後の上達がぐっと早くなります。

「自分は参加できるのかな」と迷う方は、お気軽にご相談ください。

※より難しい雪山ルートやバリエーションルートの講習会では、参加基準を設けています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

よくある質問

雪山の装備を何も持っていません。参加できますか?

はい、参加できます。アイゼン・ピッケルはレンタルがありますので、お気軽にご相談ください。最低限ご用意いただきたいのは、防寒着、レインウェア、登山靴の3つです。登山靴はアプローチシューズやトレイルランニングシューズでは参加できませんのでご注意ください。

まずは一度体験してみて、「自分にもできそう」と感じたら、少しずつ装備をそろえていけば大丈夫です。

体力に自信がありません。

登山道場の講習会では、バテない歩き方そのものを学びます。体力に頼らず、一定のペースで歩き続けるコツを身につけることで、同じ体力でも楽に歩けるようになります。

雪山ツアーに参加したことがあります。講習会でも学ぶことはありますか?

あります。ツアーで雪山を歩いた経験がある方でも、アイゼン歩行や体の使い方を基本から見直すと、「なぜその歩き方なのか」が分かり、歩きが大きく変わります。

一人で参加しても大丈夫ですか?

はい。多くの道場生がお一人で参加されています。

雪山への一歩を、確かな技術から

雪山は、正しく学べば一生楽しめるフィールドです。転ばない、バテない、アイゼンを使いこなす。この基本を最初にしっかり身につけることが、雪山を長く楽しむための近道です。

「いつかは自分の力で雪山を歩きたい」という方は、ぜひ登山道場の雪山講習会から始めてみてください。

最新の講習会情報や雪山の技術情報は、公式LINEでお届けしています。

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