【装備編】登山をはじめよう!装備は?登山装備の基礎知識

山の知識

登山するのに装備は必要不可欠。これから登山を始めるのにどんな装備をどんな基準で揃えていけばいいのか、なかなか分かり難いものです。今回は登山装備の基礎知識を1からわかりやすくお伝えしていきます。「登山の服装編」の記事も併せて読んでみてください。

【服装編】登山をはじめよう!服装は?登山時の服装の基礎知識

2019年3月20日

まず最初に、登山で一番と言っていいほど重要な装備は「登山靴」です。靴によっていける場所も変わりますし疲れに大きく影響sることも・・・

それでは見ていきましょう!

登山靴

登山靴はとても重要で、本格的な登山を始めるのであればケチらずある程度いいものを購入した方がいいです。

とはいっても諸事情により高い靴を買えないこともあると思います。その場合は中途半端なものを買うより、まずは極力安いほどほどのものにしてお金の工面ができたらある程度のものを購入するのがいいでしょう。

ショップなどで試し履きをしてみて少しでも違和感があるような登山靴は止めたほうが無難です。試し履きでは少しの違和感も長時間履いていると確実に痛みに変わってきます。

高性能な登山靴は高価ですがその分性能も期待できます。いくつも履いてみて「これだ!」というものに出会えればそれを購入すれば問題ありませんが「正直どれを買っていいか分からない・・・」というのであればまずはブランドで選ぶ方法のいいかもしれません。

私がオススメする登山靴のメーカーは2つ。

  • スカルパ(SCARPA)
  • スポルティバ(LA SPORTIVA)

この二つは登山靴のブランドとしては絶対的な信頼感があり”テッパン”な登山靴とです。どれにすればいいか分からない場合はこの2つのメーカーから選ぶと失敗はしないと思います。

スカルパ(SCARPA)

スカルパの特徴としては日本の市場を狙って生産されており日本人の足の形に合うことが多いです。比較的幅が広いので足入れが良く、履いた感じでストレスを感じることはまずないでしょう。

向いているのは縦走などので、稜線歩きや一般的な登山道を歩くのには快適です。モデルによりますが岩場歩きでもその性能を発揮してくれます。筆者も縦走などの山ではスカルパの靴を使用しています。

スカルパの登山靴でオススメは「トリオレ プロ GTX」です。金額は少々張りますがこれがあれば初心者から、中級→上級となっても活躍すること間違いなしです。北アルプス等の稜線歩きをするのであればベストバイでしょう。


スポルティバ(LA SPORTIVA)

スポルティバは比較的タイトなモデルが多い登山靴です。岩場歩き中心な登山や登攀要素のある山ではスポルティバの方が向いています。筆者も愛用しており数種類の靴を持っています。デザインも格好いいものが多く活用する機会は多いです。

スポルティバのオススメの靴は「

上記の2ブランドは、いずれもイタリアのメーカで世界的にも信用度は高く、実際に山に行ってみても2大ブランドの靴を多く目にすることでしょう。

ちなみに、目の敵にしているわけではありませんが「モン○ル」の登山靴は正直おすすめできません。余程足に合ったいい靴に出会わない限りこの2つのメーカに絞ってみてください。(※とはいっても足に合わない場合は別のメーカーで探した方がいいです。足にさえ合えばこれらのメーカーは最高です!)

登山靴とトレッキングシューズ

いろいろ登山靴を探していると大きく分けて

  • 登山靴
  • トレッキングシューズ

の2つのカテゴリを目にします。この2種類の特徴はどんなものでしょうか?難しいことを言っても分かり難いので少し簡潔にお伝えします。

トレッキングシューズ

トレッキングシューズは乱暴な言い方かもしれませんが、スニーカーを山でも歩けるようにした靴です。登山というよりもトレッキングのような険しくない登山道を歩くのは快適ですが険しい登山道では心もとない印象です。

  • 軽い
  • ソールが柔らかい
  • アッパー(靴全体)が柔らかい
  • 耐久性に優れていない

ざっとこんな感じでしょうか。また防水機能がないモデルもたくさんあります。防水機能がないと多少の雨でも濡れてしまうことがあるので要注意です。

防水機能は、撥水のコーティングをしてあるものと中材でゴアテックスで使用している完全防水があります。雨天時の行動を想定するのであれば「ゴアテックス」入りのモデルは必須です。

登山靴

「登山靴」はその名前の通り本格的な登山をするための靴です。その特徴は下記の通りでトレッキングシューズとは対照的です。

  • 重たい
  • ソールが硬い
  • アッパー(靴全体)が硬い
  • 耐久性に優れている
  • ソールの張替えができる(一部できないモデルもあります。)

重たい荷物や険しい岩場などの登山道を歩くことを想定していますので全体的に硬い印象で慣れるまでは歩き難く感じるでしょう。

重たい荷物を担いだときに柔らかかったり、軽い靴だと不安定でフラフラしてしまいます。またシビアな登山道ではグニャグニャなソールだと怖くて歩けません。

どんな山に(近い)将来行きたいかを考えながらどんなモデルを購入するか検討していきましょう。

靴下

靴下はとても地味な存在ですが、登山において靴下はとても重要です。登山用の靴下は基本的には厚手またはのものが好ましいです。夏場では暑いと感じられるかも知れませんが薄い靴下などで行動していると靴ずれのリスクが高まりますし、足の裏なども痛くなる可能性が高くなります。

購入する際は「厚手」もしくは「中厚手」などと記載されたものが3シーズンの登山ではちょうどいいと思います。種類がたくさんあるので迷いますが、「そこそこの厚み」があればあとはお好みでどうぞ。

ちなみに筆者は「ICE BREAKER」が好きです。締め付けがあまりなくストレスフリーで耐久性も抜群です。

ICEBREAKER アイスブレーカー MOUNTAINEER HVY MS IS01601

価格:3,456円
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感想(0件)

ゲーター(スパッツ)

ゲーターはスパッツともいい雨天時の防水効果、汚れ防止はもちろん、小石や砂などの靴への侵入防止も防ぎます。歩き方が上達してくると必要性はあまり感じませんが、これから登山を始める人にあたってはあったほうがいいです。

(簡易)アイゼン

アイゼンはあまり聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと雪の上を歩く際の滑り止め、金属製でトゲトゲしているスパイクのようなアイテムです。

冬山(雪山)以外では使わないと思われがちですが6~7月の早い時期や雪渓ルートに行く際は簡易アイゼンが必要になります。

特に日本3大雪渓は真夏でも必要になります。

日本3大雪渓

  • 白馬大雪渓(白馬岳)
  • 針ノ木雪渓(針ノ木岳・蓮華岳)
  • 剣沢雪渓(剱岳)

これらの雪渓は秋頃まで、場所や、その年の雪の量によってはずっと残っていることもありますので事前情報を入手してから山に行きましょう。

バックパック(ザック)

バックパックは荷物を収納できて担げれば何でもいいという人もいるかもしれません。現に学生の山岳部では一昔前まではキスリングという俗に言う「ズタ袋」のようなもので登山していたのも現実です。

しかし、それは昔の話で現代では快適に越したことはありません。日帰り山行などの軽い装備ではあまり気にならないかもしれませんが宿泊を伴った山、もっと言えばテント泊装備になると20kg近い荷物を担ぐことも珍しくありません。

バックパックの選び方の基準

  • ショルダーの心地良さ
  • ウェストベルトのバランス
  • バックパックの重心の位置
  • 荷物の出し入れの良さ
  • 機能性
  • 軽さ
  • 大きさ

これらの条件が基本的な仕様です。細かなことを言えば更に細分化できますが簡単に言えばある程度の重さを入れた際に背負った心地よさで決めればいいと思います。

重要なのは自分の身体に合ったものを選ぶのはマストの条件です。セールで売り出しているからと言って背面などのサイズにあわない物は避けましょう。

バックパックのサイズについて

バックパックのサイズはどんな登山に行くかによって変わってきます。小さいと荷物が増えたときに入りきらない。大きすぎるとバックパックの中がスカスカして見た目も悪いしザックが無駄に大きくなってしまうので登山の目的に合わせて購入することが大切です

なお、バックパックのサイズについては「リットル(L)」表示になります。

日帰り登山

日帰り登山では、最低限で言うと

  • レインウェア
  • 防寒具
  • ヘッドライト
  • 飲料
  • 行動食
  • 食事

こんなもんでしょう。基本的に日帰り登山では20L~35L位のサイズがちょうどいいでしょう。

日帰り登山では 20~35Lのバックパックがオススメ

小屋泊 1~2泊

小屋泊の装備になると日帰り登山と比べると着替えや食料など少し荷物が増えます。40~50Lくらいのサイズがあると多少荷物が増えても対応できます。

小屋泊(1~2泊)では 40~50Lのバックパックがオススメ

テント泊 1~2泊

テント泊となると荷物が一気に増えるでしょう。テントやシュラフ、自炊道具に食料・・・しかし、最近ではこれらのアイテムの小型化、軽量化が進んでいるので50~65L程度のバックパックが使いやすいと思います。あれもこれも心配になってもっていくとあまりにもの重量で歩けなくなるので重さに注意し、バックパックが大きいとついつい沢山の物を持て行くので65L程度のバックパックに留めておきましょう。

テント泊(1~2泊)では 50~65Lのバックパックがオススメ
宿泊を伴う登山について

宿泊を伴う登山については別の記事でお届けする予定です。記事を執筆したらお知らせします。

ザックカバー

雨が降ったときにはレインウェアを着るのはもちろんですがザックカバーも必要なアイテムです。ただし私の知る限りのザックカバーは背面はカバーされません。なので完全防水の商品は存在しません。

とはいうもののあるとなしでは雲泥の差ですが、レインカバーだけに頼らずにザックの中での防水対策も必要です。

絶対に濡らしたくないものを携行する場合は防水バックなどもあったほうがいいかもしれません。携帯電話、防寒着、その他予備バッテリーなどの防水機能がない電子機器などは小さいものであればジップロックでも代用可能ですし、嵩のはる防寒着などは防水バックなどが便利です。

ザックカバーはザックの大きさによってことなりますのでそのサイズごとのザックカバーが必要です。しかし、そもそも完全な防水にはならないので商品ごとサイズの表示はありますが前後10Lくらいの誤差なら使用は可能です。

はじめのうちザックは1つかもしれませんが登山にハマっていくうちに増えていく物です。持っているザックをある程度カバーできるサイズを購入するとザックごとに買わずにすみます。

ストック

ストックはあってもなくても山に行くことは可能です。しかし結論を先に行ってしまえばあった方が確実に楽です。私も登山を始めたばかりの頃はストックなしでの登山は考えられませんでした。

ストックの形状

ストックの形状としては下記の種類があります。

I型

最近ではこちらの形が一般的になりつつあります。

1本使いのシングルストック、2本使いのダブルストックの2パターンの使い方ができます。登りの楽さを考えると圧倒的にダブルストックで両手に持ったストックが急な登り坂でも推進力となり疲労軽減になります。

また、テント泊装備など重たい荷物を担ぐバランスを崩すことがありますのでバランスを取る役割もあります。

使用時の長さについては持ち手のグリップ部分が胸の辺りに来るくらいの長さのものが好ましいです。最近のストックは長さを調整できるものがほとんどですので心配はありません。

T型

T型のストックに関しては1本使いのシングルストックが一般的です。長さも短めで使うのが基本で腰より少し高めの位置に持ち手のグリップがくる長さが適したサイズです。こちらも同様に長さが調整できるので体格にあわせお使いください。

アクセサリー

登山で使う小物系は数多くあります。細かい物を挙げればキリがないので需要が高く山で使用頻度の高いものを中心にご紹介します。

プラティパス

初めて聞く方がほとんどだと思いますが簡単に言ってしまうと『水筒』です。水やスポーツ飲料などを入れていくキャップ付きの袋のことを言います。

もともと「プラティパス」という商品名(メーカー)なのですが登山者の中では「プラティパス」以外の同様の商品もプラティパスと呼ぶことが多いです。軽くてコンパクトに収納できるのが特徴です。また、厚い夏場など凍らせて持っていくことも可能で登山の途中に冷たい水を飲むこともできます。

簡易的なビニール製なのですが使い捨てではないので繰り返し使えますが劣化もするので適度な交換をお勧めします。著者は1~2年に1度くらいに1度は買い換えています。水の入った状態で鋭利な岩の上に落とすと破裂するので取扱いには注意が必要です。

泊まりの登山ではワインや、日本酒、焼酎、ウィスキーなどのお酒を入れて持っていく事も多いですが、匂いが付きやすいのでお酒を入れるのであればお酒専用として使った方が無難かもしれません。

Platypus(プラティパス) デュオロックソフトボトル 0.75L

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ハイドレーション

これも聞きなれないアイテムですがとても便利です。プラティパスにストローのような管が付いているような形状で歩きながら水分補給ができる優れものです。寒い時期は管の部分や口の部分で凍結して飲めなくなることもあるので寒い時期にはお勧めできません。

また、バックパックから管を出して使用するのですが飲み口の上にバックパックを置くと中の水が出てしまうので取扱いには注意が必要です。

platypus プラティパス ドリンキングチューブ キット 25045

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バーナー

お湯を沸かすガスバーナーを登山用にコンパクトにしたアイテムです。商品によっては手のひらサイズ以下でかなりこんぱくとになります。(ガスは別)

山頂でコーヒーやカップラーメンをを飲食する際には必要不可欠なアイテムです。火力も強いので数分でお湯が沸きます。

テント泊や自炊をする場合は必ず必要になるのでそのような予定がある方はコンパクトかつ出力の大きいものが好ましいです。家庭用のガスバーナーと比べると価格は高めですがとても便利です。バーナーのモデルによって出力が異なります。出力はカロリー(kcal)の表示で確認できます。ちなみに3000kcalを超えるモデルのほうがオススメです。

バナーのメーカーによってガス缶も異なります。購入したバーナーと同じメーカーのガスを使うことをオススメします。(※ガスのメーカーが異なっても使える場合もありますが基本的には同一のメーカーの使用を推奨します。)

ガスは夏用、冬用、と種類が分かれており金額も異なります。冬用のほうが高いですが低温の状況でも使えるので状況に応じて選択しましょう。

登山用の定番はイワタニ 「PRIMUS(プリムス)」

PRIMUS プリムス P-153 ウルトラバーナー P-153

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「EPI(イーピーアイ)」比較的安価で高出力モデルも!

EPI イーピーアイ NEOストーブ S-1030

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このほかにも最近は「ジェットボイル(JETBOIL)」という優れもののバーナーもあります。お湯を沸かすだけなら圧倒的に早く500mlのお水をなんと1分40秒で沸騰させることができます。。ただし、お湯を沸かすのに限定されるので自炊で料理したりするのであれば上記の従来型のバナーがオススメです。

テルモス

テルモスとは魔法瓶構造の水筒のことを言います。夏に冷たい飲料を飲む場合や寒い時期に暖かい飲み物を入れて携行します。

アウトドア用のテルモスはサーモス(THERMOS)の山専ボトルです。金額はお高めですが保温力は抜群です。

氷点下のような過酷な状況でも熱さを保ちます。5~6時間程度であればそのままカップラーメンにお湯を注ぎが食べれるほどの保温力です。プライベートでも活躍してくれるので決して高いものではありません。

ちなみに、テルモスの語源は「THERMOS」です。「サーモス」が日本で流通し始めた頃はグローバル展開する前で創業のドイツ語読みで「テルモス」だとか・・・。その後、グローバス展開をはじめ英語読みで「サーモス」になったようです。登山界ではその名残で現在でもテルモスと呼ぶのが一般的で、サーモスの水筒以外でも魔法瓶構造の水筒は「テルモス」と呼ばれています。

腕時計

腕時計は正直時間がわかって、防水であれば何でもいいというのが持論ですが、標高が分かる機能が付いていると便利です。

なお、標高は気圧によって変わってくるので標高が確実に分かる登山口で都度標高の調整をするのが必要となります。

ちなみに、登山者で人気のあるメーカーは2つ

  • SEIKO(プロトレック)
  • SUNTO

です。この2つが登山用の大半のシェアを占めていると感じます。あとは個人的なデザインや大きさなどお好みでお使いください。

装備のまとめ

どうでしたか?・・・これだけすべてのものを揃えようとするとかなりのお金が掛かります。優先順位をつけて必要なものからそろえていくといいですね。実際に山に行って少し困ったりしたときに、もう一度この記事を見直してもいいかもしれません。繰り返しになりますが装備と服装はとても重要なので服装編も併せて読んで準備を進めてはいかがでしょうか?

【服装編】登山をはじめよう!服装は?登山時の服装の基礎知識

2019年3月20日